目次
AGA(男性型脱毛症)ってどういうもの?
AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。
医学的にはMale Pattern Hair Lossといわれ、現在ではそのように呼ばれることが多いです。
AGAは思春期を越えたあたりの男性に多くみられる脱毛症の一つです。
今現在、薄毛や抜け毛で悩む男性の8割がAGAであるといわれています。
AGAは主に男性ホルモンに起因して発症する疾患です。
ですが男性ホルモン以外にも遺伝や生活習慣などさまざまな要因が関わっていると考えられています。
一般的に額の生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛が起こるとされており
進行性の脱毛症であるため時間をかけて少しずつ薄毛が進んでいくのが特徴です。
AGAなのかを確認するセルフチェック
・以前と比べておでこが広くなった
・つむじ周りが地肌が見える範囲が多くなった
・髪にハリやコシがなくなってきた
・全体的なボリュームが減って髪が細い
・短い抜け毛が多い
・頭がべたつく
・頭皮に臭いがある
・祖父が薄毛だった
など細かいところもありますがこれに3つ以上当てはまるようであれば AGAの可能性が高いといえます。 AGAを発症した場合は何らかの治療を施さない限り薄毛が進行し続けてしまうため、専門家による治療を おススメ致します。
AGAが進行することによる毛髪量の変化
AGAの発症は男性ホルモンが関与しています。
思春期以降に発症するケースが多いとされています。
日本人男性のAGAの発症率は、20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で40数%と年齢に比例して高くなる傾向にあります。
AGAを発症している人は全国で1,260万人
そのうち気にかけている人は800万人
何らかのケアを行ったことのある人は650万人ほどといわれています。
AGAは進行性の脱毛症であるため何もせずに放っておくと抜け毛が増え上記の図のように髪の毛の本数が徐々に減り、少しずつ薄くなっていきます。
こうして着実に症状が進行していく性質を持つことが、AGAは早めのケアが大切だといわれている理由です。
AGAのしくみと原因
・AGAのしくみ
AGAの薄毛や抜け毛の仕組みを知っておくには「ヘアサイクル(毛周期)」を理解しておくことが非常に重要な点になります。
髪の成長にはヘアサイクル(毛周期)と呼ばれる一定の周期があります。
通常のヘアサイクルは約3年~5年かけて1週するの生涯かけて行われます。
このヘアサイクルには、大きく3つの段階で構成されています。
髪1本1本に、それぞれの独立したヘアサイクルが存在しているのですが
1本1本で生涯に繰り返される回数が決まっています。
ヘアサイクルが終了を迎えた時点でその髪の毛は寿命を終えます。
このヘアサイクルの3年~5年かけて1週するのが極端に短くなり早い方で数ヵ月遅い方で1年の1週になるのがAGAです。
AGAは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ(5α還元酵素)Ⅰ型およびⅡ型」により変化し生成された「DHT(ジヒドロテストステロン)」が非常に関わってきます。
DHT(ジヒドロテストステロン)は男性ホルモン受容体である「アンドロゲンレセプター」と結合することで髭などの体毛に対しては成長因子を刺激して毛を太く成長させる作用を持ちます。
ただ前頭部や頭頂部の髪の毛に対しては毛母細胞の分裂を抑えて
ヘアサイクルにおける成長期を短縮させてしまう働きを持ってます。
DHTによる影響を受けたヘアサイクルは成長期が最短100日程度、遅くても1年と極端に短縮されてしまいます。
このことに関してはDHTの生成に関わる5αリダクターゼによって髭などの体毛では“毛の成長を促すシグナル”が生産されるのに対し前頭部や頭頂部では“毛の成長期を阻害するシグナル”が生産されるためと考えられています。
このようにヘアサイクルの成長期が短縮されることで髪の毛は十分に育たないまま退行期を迎えることになります。
ヘアサイクルが乱れる事で長く太い髪の毛へと成長するはずが短く細い髪の毛ばかりが増えていき、それを「軟毛化」と呼びます。
この軟毛化が起こる事でAGAの進行を示し、薄毛へと進行して行くのです。
・AGAの原因
上記で記した通りAGAの主な原因は男性ホルモンによりますが遺伝も要因の一つとして含まれます。
様々な遺伝子がAGAには影響している事が知られているのですが、その一つに「X染色体」の影響が考えられます。
AGAの発症の際に関与してくるアンドロゲンレセプターですが、それに関わる遺伝情報が
母親から受け継ぐ遺伝子のX染色体に含まれているためです。
X染色体は母親からのみ受け継がれる染色体です。
そのため、アンドロゲンレセプターの感受性が強い遺伝子情報を受け継いだ場合には
薄毛になりやすい可能性があると考えられています。
しかし、アンドロゲンレセプターに対する高感受性を示す遺伝子情報をもっていても
必ずAGAが発症するわけではありません。
なので、その他の原因としてAGAには不規則な睡眠や運動不足、偏った食事などの質が悪い生活習慣、もしくは日頃のストレスが
環境要因として関わっている事も明らかになってきています。
家系や体質的に将来の薄毛が気になる方は、一度早い段階で専門家による診察を受けてみる事をオススメ致します。
AGAは治るのだろうか?
AGAは主な原因、脱毛のメカニズム、進行パターンや進行レベルなど少しづつですが全貌が明らかになって来ている疾患です。
ただ未だ不明な部分も多くあるのが事実です。
今現在ではAGAを「完治」と言う事は困難です。
しかし、治療を継続して行うことで“薄毛改善”する可能性があります。
現在、AGA治療の主流となっている投薬治療は薄毛の進行を抑制して毛量を増やすことを目的としているため治療によってAGAが改善された状態を保つためには治療を継続し続ける必要があります。
ですが、投薬治療のみであれば原因のみを追究し、投薬による耐性もつくので維持の状態も困難になる方はいます。
原因追及のみではなく、環境要因の改善も視野にいれて治療を行うことが
最も薄毛改善を維持しやすい事が分かります。
まずは一度専門家にご相談されることをオススメ致します。